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市場参加者は国が発表する経済指標に常に注目

統計で分かる景気動向「経済成長率・完全失業率・機械受注統計・鉱工業生産指数」

統計

統計データは役立つ情報の宝庫

内閣府や経済産業省及びその他省庁で発表される様々な統計データや、そのとりまとめとしての白書の中には、景気の状況を判断するのに役に立つ様々な情報が眠っています。

特に各省庁で発表する多くの白書は、その分野の近年の状況や現在の取り組みについて書かれており、今後の変化を予測するのに有用です。

ここでは特に景気判断に役に立つデータと、その意味について解説していきます。

経済成長率

経済成長率とは、GDP(国内総生産)の増加率を示す数値です。

【GDPとは】
国内で生産された付加価値の合計となります。言い換えれば、その国の中でどれだけの富が新たに作られたかを示す値だと考えればよいでしょう。

このGDPの数字が大きければそれだけ景気は上向いていると言えますが、この経済成長率はあくまで割合になりますので、先進国では小さな値、途上国では大きな値になります。

例えば日本やアメリカでは3%の成長率であれば大きな好景気であると言えますが、ASEAN諸国等で3%では経済危機が起きているかもしれません。

完全失業率

完全失業率とは、労働力人口に対してどの位の失業者がいるのかを求めた割合になります。

失業者の割合が少なければそれだけ景気は良いことになります。しかし、慢性的に失業率が大きい国もありますので、単に数字を見るのではなく、その変動についても注目する必要があります。

失業率とインフレ・デフレは密接な関係にある

また、この失業率については物価水準(インフレ・デフレ)と密接な関係があることが知られています。

物価水準が上昇傾向(インフレ)の状態であれば失業率は低下し、下降傾向(デフレ)の状態では失業率は上がる傾向があります。
したがって、完全失業率の変化がわかれば、その国の物価水準の変化も理解することにつながります。

機械受注統計

機械受注統計とは、言葉通り機械関連の注文がどの位の量あったのかを表す数字です。この数字が重要なのは、「機械の発注」=「設備投資」であると考えることで理解できます。

企業が生産を増やす場合、単に材料を買う量を増やせば良いわけではありません。製品を作る設備である機械が必要になるわけですから、増産の前に設備投資を行う必要があるのです。
したがって、この機械受注統計の変動はそのまま設備投資の変動と置き換えて考えることが出来ます。

設備投資の結果はすぐに出るわけではない

機械を発注し、作成し、完成して設置。その上で増産を行う形になります。ですから、この数値の変動は実際の景気の大きな波の少し前にあるものと考えることが出来るのです。特に製造業では設備投資がそのまま生産に直結しやすいのでこの指標の情報は大切になります。

一般的に機械受注統計の変動はおおよそ6~9ヵ月、景気の変動の先を行くと言われています。このような、将来の景気の流れを先行して見通せるような統計データのことを「景気の先行指標」と言ったりしますが、その中でも有名な指標になります。

鉱工業生産指数

鉱工業生産指数とは、先ほどの機械受注とは異なり、現在の景気がそのままデータに跳ね返りやすい、現在の景気を判断するための指標と言えます。

製造業と言った場合、金属を加工し、製品を作るのが一般的ですから、鉱業とそれに関係する工業について指数をまとめることで、現在の製造業の景気状況を推し量ることが出来る可能性が高くなります。

機械受注とあわせることで、今現在は景気の波の中の、おおよそどの辺りなのか。今後景気はどう変動するのかを予測するための精度を上げることが出来るようになるかもしれません。

統計データは使い方次第では、役に立つ

このように様々ある統計データではありますがこれ以外にも、分野によってはより有益な統計データもあり得ます。幅広く知識をもち、そして勝てる相場であれば、逆にピンポイントでやるべきことを行うのが投資家の役割なのではないでしょうか。

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