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ROEは経営効率が分かる数字

ROE ~経営効率から「割安株」と「割高株」を判断する~

ROEはPER・PBRと併用で効果発揮

ROE

2014年のJPX400指数の導入で投資指標としてのROEに再び注目が集まっています。
そこで、本項ではROEの意味するところを深堀しPERやPBRなどの指標と併用することで、ROEをより効果的に使う方法について考えていきます。

ROE(自己資本利益率)の意味するところ

ROE(自己資本利益率)とは?

今やメインの投資指標として使われているROE(Return On Equity)ですが、ROEは企業が投資家から預かる出資金を何%の利回りで運用したかを示す指標で以下の計算式で求めることができます。

ROE=純利益÷自己資本(株主資本)(%)

純利益を自己資本で割ることで、企業が経営資源をどれだけ効率的に使って利益を上げたかを見ることができます。また、ROE=EPS÷BPS(%)という式も成り立ちます。

つまり、一株当たり当期純利益(EPS)を一株当たり純資産額(BPS)で割ればROEを求めることができます。

ROEはファンダメンタルズ分析に不可欠

もともと、銘柄分析の手法として業績や財務内容を分析するファンダメンタルズ分析とチャートや株価水準・過熱感などを分析するテクニカル分析がありますが、ROEはファンダメンタルズ分析に不可欠な指標と言えます。通常、銘柄分析に於いては以下の指標を重要視しています。

  • 企業の安定性→自己資本比率・流動比率・手元流動性・キャッシュフロー
  • 企業の成長性→EPSの経年変化・キャッシュフロー
  • 企業の収益性→売上高比率・ROE・ROA
  • 株価の割安感→PER・PBR

上記の通りROEは企業の収益性を見る指標となりますが、特に、長期投資に於いて財務は健全なのか(安定性)・利益は効率的に挙げられているのか(収益性)・将来も事業が拡大し利益が増えそうなのか(成長性)が重要になります。その意味で企業の収益性を見る最も解り易い指標としてROEの重要性が高まっています

株主のお金を効率的に使える企業が高ROE企業

もともと、企業は株主から預かった資金を元手にビジネスで利益を上げ、その利益を株主に還元するために存在しています。
その意味から考えるとROEが高いほど株主から預かる資金を有効に使って儲けを出している「優等生企業」と見ることができ、欧米では古くからROEが重要視されてきました。
つまり、株主から見てROEが8%でアベレージ・15%以上が合格と言われるほどです。

しかしながら、日本市場に於いてはなかなか企業の資本効率の高さを株価に織り込むという考え方が育ちませんでした。

日本市場に於いては基本的に割安株を選別する「バリュー投資」が好まれ、常に割安業種や割安銘柄を循環物色する相場が長く続きました。特に、バブル崩壊後の相場に於いて市場全体で株価が切り上がる局面では資産価値に比べて株価が安い低PBR銘柄のリターンが相対的に高く、ROEが高い企業はPBRも高い傾向があることから相場全体の上昇に割り負ける傾向が続きました。

企業の四半期決算の定着化と「アベノミクス」による企業業績の改善により、再びROEを重視する相場になりつつあると考えられます。
 

ROEの盲点

一方でROEにも盲点が無い訳ではありません。ROEだけを見ると借入金が多くても財務レバレッジを効かせている会社は、効率的に見える場合があるからです。次の様なケースでROEの盲点が考えられます。

例えば、A社とB社の純利益が1億円だと仮定します。

A社 借入金10億円で純資産1億円とするとROE=100%
B社 無借金で純資産10億円とするとROE=10%

この場合はROEだけを見るとA社の100%が優れていますが、一方でB社のROEは10%と普通ですが無借金経営で財務の健全性は高いと言えます。
つまり、A社はB社より上手に資金を運用し収益性が高いと言えますが、借入金の金利が上昇した場合のリスクに対する健全性は無借金のB社の方が高いと言えます。
従って、ROEだけを見ていると借入金に対する評価が抜け落ちる危険性がありますから、ROEと他の指標も併せて評価することが大事です。

ROEとPER・PBRを併用する

ROE
(日本証券業協会資料より)

ROEとPERとPBRの関係

ROEとPERとPBRの3指標の関係を1つの式で表すとPBR=PER×ROEとなります。正直、PBR=PER×ROEと言われてもピンときませんが、上記の方程式を見て頂ければ納得できるかもしれません。

ROEの分子の一株当り利益とPERの分母の一株当り利益が相殺されますから、結局、ROE×PERは株価÷一株当り株主資本となるからです。そして、PBR=PER×ROEを変形するとPER=PBR÷ROEとなりますから、ROEが高くなるとPERが低くなることが解ります。

従って、企業のROEが高くなるとPERが低くなりますから、結果として株価の上昇が期待できることになる訳です。つまり、ROEを高めると株価が上昇しやすい理由は、上の関係式から導き出された「ROE上昇→PER低下→株価上昇」という図式により説明することができるのです。

ROEと株価に直接的な関係はないことに注意

日本では、経験則的にはROE が8%を超えた企業の株価が株式市場で評価されてきました。つまり、ROEが8%を超えた企業は自己資本を効率良く使った経営をしているとの評価で株価が上昇し始める訳ですが、もともと、ROEは株価が割安かどうかを判断する指標ではなく企業がいかに効率の良い経営をしているかを判断する指標です。

また、ROEが高いほど効率的と言えますが、ROEがこの水準なら効率的でこの水準なら非効率といった尺度はありません。従って、ROEと株価に直接的な関係はないと考えた方が良いのです。
従って、銘柄選択でROEを使う場合は、高ROE銘柄の中からPER・PBRに注目して株価が割高か割安かを判断することが求められます。つまり、高ROEかつ低PERであればベストですが、高ROE銘柄は成長株が多いためPERは割高な銘柄が少なくありません。

ですので、高ROEかつPER・PBRは程ほどの銘柄の中から、テクニカル指標・需給も参考にして買いのタイミングの優先順位を決めることです。

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